耳ヨリくじら情報

「クジラ料理が好きでよくお店で食べている」という人にも、「クジラ料理に興味があるけどまだ食べたことがない」という人にもおすすめなのが、自宅でクジラ料理を作ってみること! 実は、クジラの赤身はとっても扱いやすい食材なので、子どもも一緒にチャレンジするのにももってこいです。親子で一緒に、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に作れる簡単でおいしいクジラ料理のレシピを教えてくれるのは、料理研究家の藤本なおよ先生。生徒役として、将来の夢はクジラの研究者という、小学4年生のかえでさんにご出演いただきます。

子どもも大人も大好きなカレー味!「クジラ肉のタンドリー風」
1品目にチャレンジするのは、「クジラ肉のタンドリー風」。クジラの赤身を、タンドリーチキンのような味と風味に仕上げる料理です。しかし、本場のタンドリーチキンのように、複数種類の香辛料を用意する必要はなく、カレー粉やおろしにんにく、おろし生姜があれば十分。レシピは次の通りです。
【クジラ肉のタンドリー風】
■材料(2人分)
クジラ肉(赤身)200g
A プレーンヨーグルト大さじ3
A カレー粉大さじ1
A おろしにんにく小さじ1
A おろし生姜小さじ1
A 塩小さじ1/2
A レモン汁小さじ1
オリーブオイル大さじ1
パプリカ(赤・黄色)各50g
塩ひとつまみ
水菜 80g
■作り方
1. クジラの下処理、野菜を切る
クジラ肉を食べやすい大きさにそぎ切りにする。パプリカは乱切り、水菜は3cm幅に切る
2. 漬け込み
ボウルにAを入れて混ぜ、クジラ肉を加えてしっかり揉み込み、冷蔵庫で2時間漬ける
3. 焼く
フライパンに少量のオリーブオイルをひき2を焼いて、あとからパプリカを中火で焼く。焼きながら、塩ひとつまみを全体に回しかけて味を調える。表面に焼き色がついたら裏返し、弱火にして蓋をして3〜5分蒸し焼きにする
4. 盛り付け
皿に盛り、水菜を添える

藤本「かえでちゃんは、パプリカは切ったことある?」
かえで「ないです。でも、ニンジンとかきゅうりならあります。おうちでサラダを作るときとかに」
藤本「それで上手に切れるんだね」
かえで「小さいころ、Eテレで『クックルン』(ゴー!ゴー!キッチン戦隊クックルン)をよく見てたからかも!」

藤本「そうなんだ(笑)じゃあいよいよクジラ肉も切ってみましょう。お肉が動かないように押さえながら、1cm幅に切っていきます」
かえで「お肉切るのは初めてだ! 触るとむにむにしてるけど、筋の部分は、切るときコリって感じがする」

藤本「次はボウルにヨーグルトやカレー粉を入れてタンドリーのタレを作って、お肉を漬け込んでいきます」
かえで「ヨーグルトは今朝も食べたし、にんにくは大好きだからいいニオイしかしない!」
藤本「フライパンは使ったことある?」
かえで「魚肉ソーセージを切って、マヨネーズ入れて炒めたりします」


藤本「じゃあ大丈夫だね。まずは漬け込んだお肉を2、3分弱火で焼いたら、パプリカを入れて絡めていってね」
かえで「めっちゃおいしそうなニオイがしてきた! これお弁当に入ってたら最高。公園に行くときとかに持って行ってもいいし、バレニンが入ってるから、疲れたときに食べるのにもぴったりだ」

藤本「さすが! 栄養素にも詳しいんだね。焼きあがったら、お皿に盛りつけて水菜を添えたら完成です」
かえで「やったー!」

彩り豊かな見た目も楽しい「クジラ肉の春色丼」
2品目は、カラフルな見た目が食欲をそそる「クジラ肉の春色丼」です。「クジラ肉のタンドリー風」と同じく赤身を使っていきますが、味付けはまったく異なるので、2品セットで食卓に並べるのもおすすめです。セットだと栄養バランスもさらによくなりますよ。レシピは次の通りです。
【クジラ肉の春色丼】
■材料(2人分)
クジラ肉(角切り)100g
ご飯 2杯分
卵 2個(いり卵用)
スナップエンドウ3本(斜め切り)
ミニトマト2個(半分に切る)
白ごま少々
ごま油小さじ1
料理酒適宜
調味料(クジラ肉用)
└醤油大さじ2
└みりん大さじ1
└酒大さじ1
└砂糖小さじ1
└生姜(すりおろし)小さじ1
■作り方
1. クジラ肉の下準備
クジラ肉は料理酒に30分ほど漬け込む。キッチンペーパーで水分を取ったクジラ肉を細かい角切りにする。フライパンに醤油、みりん、酒、砂糖、生姜を入れて煮立たせ、クジラ肉を加え、中火で煮詰める。火が通ったら一旦冷ましておく
2. いり卵を作る
卵を割りほぐし、フライパンにごま油を引いていり卵を作る
3. 春野菜の準備
スナップエンドウを軽く茹でて冷水に取る。ミニトマトは半分にする
4. 丼を組み立てる
丼ぶりにご飯を盛り、ご飯のうえにクジラ肉、いり卵、スナップエンドウ、ミニトマトを並べたら、最後に白ごまをふりかける




藤本「まずは、料理酒に漬けておいたクジラ肉の水気をキッチンペーパーで取って、食べやすい大きさにカットしていきます」
かえで「なんのために漬け込んだんですか?」
藤本「漬けることで臭みがとれて、お肉がやわらかくなるんです」
かえで「キッチンペーパーにのせたら赤くなるんだ!」
藤本「その水気をしっかり取ることで、臭みが抜けたおいしいお肉になるので、このひと手間はすごく大事なんですよ」

藤本「次に、フライパンに醤油、みりん)、酒、砂糖、生姜を入れて煮立たせてから、カットしたお肉を煮詰めていきます」
かえで「すごくいいニオイ。絶対おいしいやつだ!」


藤本「火が通ったら、いったん冷ましておいて、その間にいり卵を作ります」

藤本「次に、スナップエンドウは筋を取ってからさっと茹でて冷水に取って、ミニトマトは半分にします。ここまでできたら、あとは丼にご飯をよそって、そのうえにクジラ肉、炒り卵、スナップエンドウ、ミニトマトをのせていくだけです」

かえで「できた! 自分が作ったっていうのがあるから、絶対100倍おいしくなってる!」

「おいしい」しか言葉が出ない最高のメニュー 作り方を覚えたから次はひとりで作ってお母さんに食べさせたい

藤本・かえで「いただきます」
かえで「タンドリーおいしい! めっちゃおいしい! これはサイコーだ! すっごく肉肉しい。魚寄りか肉寄りかでいうと絶対肉寄り。カレーもこんなに合うんだ。パプリカもおいしいし、ほんとサイコー」
藤本「よかった。そう言ってもらえてほっとしました」
かえで「お昼ご飯にクジラ食べられるなんてサイコーじゃん。パプリカとクジラも合うんだ」
藤本「いつもはどんなクジラ料理を食べてるの?」
かえで「お刺身とローストホエールと焼き肉が多いかな。共同船舶の本でローストホエールと焼き肉が紹介されてて食べたくなって、家でお母さんに作ってもらったら、“おいしい”ってなりました。でも今日、“タンドリーホエール”の作り方を覚えたから、今度は私がお母さんに作ってあげよう」
藤本「気に入ってくれてうれしいです」
かえで「“おいしい”しか言葉がないです」

かえで「丼もおいしすぎるーーー!!!」
藤本「よかった。うれしい!」
かえで「“タンドリーホエール”と比べて、ちょっと甘い感じがする」
藤本「お砂糖とみりんが入ってるからね」
かえで「これが家のご飯で出たら、やったー!って感じ。これはクセになる味だー。本当に“おいしい”しか言葉が出てこない……」
藤本「そこまで気に入ってもらえて感無量です。クジラは鉄分豊富で、貧血気味の人や女性にもぴったりな食材なので、家族みんなで楽しんでもらえたらうれしいな」
タレに漬け込むだけで味が決まる「クジラ肉のタンドリー風」、下準備した素材をご飯に盛り付けるだけでプロ級に仕上がる「クジラ肉の春色丼」ともに、シンプルな調理工程なのに栄養たっぷり。「クジラの赤身は骨がなくてやわらかいから、キッチンバサミでも簡単にカットできるので、お子さんもチャレンジしやすいですよ」と藤本さん。みんなで一緒に料理を楽しめば、食べることが今以上に好きになりそうですね。