耳ヨリくじら情報
2024年も終盤に差し掛かり、家族や親せきが集まる年末年始に向けて、料理の準備をするご家庭も増えてきたのではないでしょうか?
くじらタウンでは「鯨肉」を使用した地方の伝統料理やオリジナルレシピなど様々なクジラ料理を紹介しています。
そこで今回は宮城県石巻市で ‘‘昔から食べられているクジラのお正月料理’’をご紹介します!
石巻市の鯨食文化について
石巻市牡鹿地区では、鮎川浜を中心として捕鯨が行われてきました。まず、歴史上でファンも多いあの伊達政宗が定めた「伊達家の正月膳」にもクジラの肉を使用した『鯨石焼き』が出されており、江戸時代末期に食べられていたと記録が残っています。その後1906年には近代捕鯨がはじまり、捕鯨基地として栄えてきました。 そのためクジラと地域の関わりが濃く受け継がれています。
身近で捕鯨が行われていた石巻市では、お盆とお正月に『鯨の紅白刺し』が食べられています。『鯨の紅白刺し』とはスライスしたクジラの赤肉刺身と本皮の刺身を合わせた一品です。ちなみに市内で本皮は「トイ」と呼ばれています。あっさりとした赤肉と上質な脂がのった本皮(トイ)を一緒に食べるとうまみがあふれ出しおいしさが増します。市内に住んでいる人たちは、海が近い土地柄もあってかお刺身として食べることが多く、クジラの知らない部位を見ると「これは刺身で食べられるのか」と確認する人も少なくはないのだとか!
学校給食でもクジラ料理は食べられている?
学校によって違いはありますが、石巻市では学校給食として年に1~2回「オーロラ和え」や「ごまみそ和え」などのクジラ料理が提供されています。
地域によって学校給食で提供されるクジラ料理も違うのかもしれませんね。
お正月に家族で食べてみよう!めでたいクジラレシピ
石巻市で食べられているお正月料理『鯨の紅白刺し』はクジラの赤肉と本皮(トイ)があれば食べることができます。今まで鯨肉を食べたことがない方も挑戦しやすい『鯨の紅白刺し』のレシピをご紹介♪
《材料(1人前)》
赤肉 80g
本皮 20~30 g
薬味 お好みで
《鯨肉の解凍方法》
鯨肉は解凍方法がポイント
おすすめの解凍方法をご紹介します。
・赤肉
パーシャル室等の低温帯(0℃~3℃程度)に、24時間以上保管して、ゆっくり解凍してください。真空パックされている商品はそのままで大丈夫ですが、包装されていない場合は、空気に触れないようにラップし、更に新聞紙で包んだ上で、解凍してください。
・本皮(トイ)
本皮は成分の大半が脂肪の為、解凍については赤肉のような特別な配慮は不要です。スライスする前に、黒い表皮の部分に熱湯をかけ、表面の薄皮を取り除きます。
《作り方》
1.赤肉を2~3mm幅にスライスします。
2.半解凍状態の皮を1mm以下程の厚さに切ります。※完全解凍前の硬さが残った状態で包丁を入れたほうがスライスしやすいです。
3.赤肉と本皮を紅白になるよう交互に重ねて盛り付けます。
4.お好みで薬味を添えて完成。
生姜醤油やにんにく醤油はもちろん、ゴマ油+塩でもおいしくいただけます。
ごはんやお酒のお供としてもよく合いますよ。
缶詰など加工品から挑戦してみても!
鯨肉はお肉の冷凍販売の他にすぐ食べられる加工品もあります。もし、解凍など自分で作るのはまだ挑戦しづらいなという方がいたら、「鯨大和煮」や「やわらか鯨カルビ」などの缶詰もあるのでこちらから初めてみるのもおすすめです。
今回は宮城県石巻市のお正月についてお話しましたが、実は地方ではクジラ自体が縁起物としてお正月やめでたい日に食べる文化、歴史があるところが多く存在しています。
新しい年を迎えるおめでたい日に「鯨の紅白刺し」を食べてみるのはいかがでしょうか。
赤肉や本皮(トイ)は通販で購入できます。
・刺身用赤肉
・本皮(トイ)
・その他鯨肉が買えるお店はこちら
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