水産物の価値を改めて学ぶ「さかな文化祭」が2024年も開催! “海の巨大モンスター”をテーマにした特別授業も開講 | 耳ヨリくじら情報 | くじらタウン

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2024.11.06

水産物の価値を改めて学ぶ「さかな文化祭」が2024年も開催! “海の巨大モンスター”をテーマにした特別授業も開講

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水産物の消費量が高まる年末年始に向けた取り組みとして、毎年11月に開催されている「さかな文化祭」。小学生とその家族を中心とした若年層家族をメインターゲットに、魚のプロである水産事業者が、幅広い角度から水産物の新たな価値を提供してくれるイベントです。イベントの目的は、「食学食育による日本の水産物消費拡大」と「国内の魚食推進の加速化」。各ブースやステージを見て回るうち、自然とおいしい水産物をいただきたくなるような内容で構成されています。日本鯨類研究所主催の「くじらぬりえ」を使いながら日本の食文化である鯨食ついて学べる体験型ワークショップ「たべるくじらのがっこう」も同時開催しました。

2024年は関東と関西で開催

2024年には、横浜・みなとみらい、兵庫県明石市の2か所で開催。みなとみらいの『日本丸メモリアルパーク』が舞台の「さかな文化祭2024」が開催された11月2日は、生憎の雨にも関わらず、朝からたくさんの家族連れで賑わっていました。

『大日本水産会・魚食普及推進センター』の「ハヤタケ先生」がステージに登壇

横浜ご当地芸人「横浜ヨコハマ」が終日MCとして出演する、「海と魚と子どもステージ」で開講された特別授業「海の巨大モンスターがやってくるぞ!」も、授業開始とともに傘をさして集まった子どもたちの熱気でいっぱい。講師を務めた『大日本水産会・魚食普及推進センター』の「ハヤタケ先生」こと早武忠利さんが出題するクイズに、元気よく答える姿が見られました。

サメは、クジラと同じように食用としても重宝されている

授業名に採用されている“海の巨大モンスター”とは、『くじらタウン』ではお馴染みのあの生き物? と思いきや、前半では、サメが私たちの食卓に登場することもあるのだと教えてくれたハヤタケ先生。先生によると、サメは種類によっては数が減っており、捕獲されるのはネズミザメなどの数が豊富な種類で、切り身として販売されるほか、練製品などにも活用されているのだそうです。

ヒゲクジラ類の食事には、口のなかに取り込んだ海水を濾すためのヒゲが不可欠

それと同じように、種類によって捕獲を禁止されているのがクジラです。「日本では現在、ミンククジラ、イワシクジラ、ニタリクジラ、ナガスクジラが“食べてもOK”とされています」と解説するハヤタケ先生が持参していたのは、ナガスクジラのヒゲ。ナガスクジラをはじめ、ヒゲクジラ類に分類されるクジラは、餌となる海洋生物とともに大量の海水を口にふくんでから、ヒゲとヒゲの間から海水だけを吐き出すことを説明しながら、“海の巨大モンスター”を頂点とする食物連鎖についても教えてくれました。

シロナガスクジラの全長は25メートルプールくらい

また、ツチクジラのあばら骨の実物を示しながら、子どもたちに鯨類の大きさを想像してもらったところで、「さらに大きいシロナガスクジラの全長は25メートルプールと同じくらいあります」と説明。ヒゲ、骨ともにその場で触れたことから、ステージそばまで駆け寄り、傘から手を出して未知の感触を楽しむ子どもたちで溢れていました。

全長が約6メートルもある、鯨類以外の海の生物とは?

続いてハヤタケ先生が取り出したのは、なにやらギザギザした見た目の大きな骨。「これはノコギリザメのものでしょうか? それともノコギリエイのものでしょうか?」の問いかけとともに出されたヒントは、「ノコギリザメは深海に棲んでいて大きくて全長2メートルくらい。ノコギリエイは海と川の間あたりに棲んでいて、全長は6メートルくらい」。ヒントを頼りに子どもたちが出した答えは「ノコギリエイ」でしたが、これが大正解。つまり、ギザギザの骨は、頭部から長く突き出たノコギリ状の部位ということになります。

海の生き物について正しい知識を持つことは、未来の地球を守ることにつながる

ハヤタケ先生によると、ノコギリエイは現在、絶滅の危機に瀕しているそうですが、その理由のひとつが船に轢かれてしまう(またはぶつかってしまう)ことなのだとか。知っていると、周囲に話して楽しんでもらえる“豆知識”でもありますが、「どんなことが悪影響を及ぼすのか」をきちんと理解することは、海の生物を守ることにもつながります。クジラに関しても正しい知識を得ることで、未来の地球まで守っていきたいですね。

同時開催「たべるくじらのがっこう」で水産資源としてのクジラを知ろう!

今年も「たべるくじらのがっこう」が開催されました。

日本のクジラの食文化についての展示コーナーとなり、会場で配布された「くじらぬりえ」を見ながら、科学的な視点から水産資源としてのクジラの持続的利用について大人から子供までわかりやすく学べるコーナーとなりました。先着の1000名の方には「くじらカレー」が配られ、みなさん食べた事のないクジラに興味深々の様子でした。

さかな文化祭の屋外会場では缶詰のクジラのイタリアンハンバーグの販売もあり、魚だけでなくクジラについても知っていただける良い機会となったのではないでしょうか。

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