耳ヨリくじら情報
ビックサイトで開催される「親子おさかな学習会」のサブ企画「くじらをたべてみたい!ホントに大きいの?」が8月8日(木)に豊洲市場で開催されました。
サブ企画はNPO法人築地魚市場銀鱗会(銀鱗文庫)とのコラボにより、市場ならでは水産物を一般消費者に知ってもらうのが目的です。
サブ企画では7月18日「イカを観察しよう!」、7月30日「エビを観察しよう!」、8月1日「海の中の宝探し!貝の真珠層磨き」、最後に8月8日「くじらをたべてみたい!ホントに大きいの?」の4つが開催され、「親子おさかな学習会」も含めると約1000人もの方が参加できる体験イベントとなっています。
8日に開催された「くじらをたべてみたい!ホントに大きいの?」では捕鯨のお話から試食まで様々な視点からクジラについて知ることができる内容の体験授業となりました。
会場ではクジラの下敷き、くじらぬりえと共同船舶さんが出している冊子「捕鯨に生きる」と5月に初操業にでた関鯨丸のアクリルスタンドとバレニンちゃんシールが配布されました。
「クジラは魚ではないけれども豊洲市場にならびます。クジラは水産物としてとても美味しく食べられる食材で、マグロなどと同じように大きいので部位によって味や食感の違いを楽しめる水産物なのです!」と語る、(一社)大日本水産会 魚食普及推進センターの早武さんのお話を聞きながら、ゲストとして共同船舶(株)の捕鯨船の砲手(ほうしゅ)をされていた武田さんによる実際の捕鯨のお話を聞いたり、クジラの骨や肉を実際に触ってみたり、最後にはクジラの畝須(うねす)をつかった「畝須丼(うねすどん)」の試食までクジラ三昧な体験イベントとなりました。
捕鯨のお話では実際の捕鯨の様子を撮影した映像を見ながらキャッチャーボート(※1)の捕鯨砲でクジラを仕留める様子から、捕鯨母船のスリップウェイ(※2)からクジラを引き上げる様子までリアルな捕鯨の映像をみて漁の大変さを知り、船の中でこの捕獲した大きいクジラを解体して冷凍して箱詰めまでの加工が行われていることを教えてもらいました。見たことのない映像に皆さん見入っていました。
※キャッチャーボート・・・小回りが利く、鯨を捕獲するための船。高さ18mからクジラを見つけて、追いかけ、ロープ付きの銛を撃ち出す捕鯨砲を搭載した船。
※捕鯨母船・・・海に浮かぶ工場。鯨一頭を捕ってすぐ、速ければ2時間で解体したクジラを冷凍庫に入れる事ができる船。捕獲した鯨は、スリップウェイ(滑り台のような形でウォータースライダーのように水を流しながら鯨を引き上げる。引き上げられたクジラは甲板で解体される。
クジラのお肉を素手で触る体験も。今回触ったのは畝須(うねす)と呼ばれる部位で、クジラの下あごからお腹まで続く蛇腹状(じゃばらじょう)の部位です。ヒゲクジラが餌を食べる時に水と一緒に餌を口に含むことで広がる部分。
スーパーや飲食店などで見た事もあるかもしれませんが、くじらベーコンで使われる部位です。加工前の生のものを見る機会はあまりありませんが、脂(白い部分)と肉(赤い部分)がくっついていて、硬い脂の部分と柔らかい肉の部分の触った感触の違いをお子さん達は体感できたのではないでしょうか。
早武さんの宝物と紹介していたマッコウクジラの歯や本物のクジラの骨も触らせてもらえました。今回はツチクジラやニタリクジラの肋骨(ろっこつ)、マッコウクジラの歯、ザトウクジラについていたフジツボ、クジラヒゲ、イッカクの角(つの)などクジラの大きさや骨の形状を知ることができ、お子さんだけでなくお父さんお母さんもみんな手に取ってクジラの骨をじっくり観察したり、記念撮影をしたりと興味津々の様子でした。
皆さんが骨を触っている間にお待ちかねの「畝須丼」が完成!
今回の料理は元捕鯨船員が営むクジラ料理店「らじっく」の店主の板花さんが考案されていて、お酒と醤油と塩だけの味付けで圧力鍋で炊いた畝須は生で触ったときとは大違いで柔らかく大変身!
あの硬い脂の部分がこんなに柔らかくなるのかと驚きで、ホロホロにとろける畝須丼を皆さん「おいしい!」と言いながら食べていました。
今回のイベントで食べ物としてのクジラのおいしさや魅力を知ってもらえたのではないでしょうか。
大日本水産会では様々なイベントを開催しているので、興味のある方は是非参加してみてくださいね!
イベント情報はこちらから
https://osakana.suisankai.or.jp/event/suisankai