耳ヨリくじら情報
大阪はクジラと深い関係があるって知っていますか?
昔、日本の三大捕鯨基地の一つである和歌山県太地町から近かったこともあり、日本を代表する鯨肉の集散地だった大阪では、鯨肉が身近な食材だったため、クジラ料理がよく食べられていました。特に関西圏で昔から食べられている「ハリハリ鍋」は、大阪の郷土料理でクジラとその出汁が絡みついた水菜は絶品です。その名残もあってか、大阪ではクジラをモチーフにしたモニュメントやお店があります。
今回は夏休みにおすすめの大阪にあるクジラスポットを紹介していきます。
巨大な赤いクジラの親子がお出迎え!商業施設「HEP FIVE」
1998年11月に誕生し大阪に住む若者たちの憩いの場である商業施設「HEP FIVE」では、入口の吹き抜け部分に大きな赤いクジラのオブジェが展示されています。躍動感があり今にも動き出しそうですよね。こちらなんとアーティストの石井竜也さんがプロデュースされたオブジェで、全長20メートルもある巨大なクジラです。
横から見るとクジラが2頭います。口に歯がびっしり生えていて強そうな親クジラのお腹の下には、親に守られて安心して微笑んでいるようにも見える子クジラがいます。
HEPFIVE
住所:〒530-0017 大阪府大阪市北区角田町5−15
クジラが埋まってる!?なんばウォークにあるクジラのオブジェ
御堂筋線なんば駅を中心に堺筋から四ツ橋筋まで広がる地下街の”なんばウォーク”内を御堂筋線なんば駅から日本橋駅の方へ歩いていくと地面から胴体と尾ビレをだした大きなセミクジラのモニュメントが見えてきます。
こちらは「クジラパーク」と呼ばれており、季節ごとに縁日などの様々なイベントが開催されている広場です。シンボルであるセミクジラのモニュメントの周りは広々としているので待ち合わせスポットとしても有名なのだとか。
住所:〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波1丁目4
クジラの骨を用いた橋「雪鯨橋」
浪速の名橋50選にも選定されている「雪鯨橋(せつげいきょう)」は、別名くじら橋とも呼ばれ、瑞光寺(ずいこうじ)境内の弘済池(こうさいち)に架かっています。クジラの骨を用いて造られた橋となり日本でもここだけといわれる珍しい橋です。
現在の橋は7代目で、2004年北海道沖の捕獲調査で採取されたイワシクジラの下あご骨と扇骨(肩甲骨)、2005年南極海の捕獲調査で採取されたクロミンククジラの脊椎を利用して造られています。
鳥居もクジラの骨を用いて造られています
~雪鯨橋の由来~
1756年に瑞光寺4代目住職の譚住知忍(たんじゅうちにん)が和歌山県太地町に行脚した際、太地町は不漁で食べるものに困っている状況でした。そこで村長から豊漁祈願の依頼を受けましたが、「殺生は仏教の教えに背く」として一度は断りました。しかし村人も困っている様子だったため豊漁祈願に応じることに。すると漁獲が多くなり安定しました。その後謝恩として黄金30両と鯨骨18本を受け取り、その骨で橋が造られたことが雪鯨橋の始まりです。
その後元号が変わるたびに架け替えられ、今でも瑞光寺に残っています。
住所:〒533-0005 大阪府大阪市東淀川区瑞光2丁目2−2
クジラの尾ビレが目印!金沢の名物純喫茶「禁煙室」を移築して造られた内装の喫茶店『喫茶水鯨』
大阪府大阪市西区川口にある『喫茶水鯨』は、50年の歴史を持つ金沢の名物純喫茶「禁煙室」の内装を受け継ぎ2021年にオープンした‘‘古くて新しい、新店だけど50年の歴史を背負った’‘喫茶店です。
喫茶店でありながら、町から消えつつある喫茶店を後世に残すためお店とお客さんの思い出が詰まった内装、外装を再利用したり展示品として飾ったりすることで様々な人に長く楽しんでもらえるように ‘‘喫茶継承活動’‘をしています。
喫茶水鯨も看板や椅子、ステンドガラス、タイルなど様々な所で「禁煙室」の歴史が感じられる内装となっています。
お店のメニューにあるクリームソーダは禁煙室の名物であった「3色のクリームソーダ」の形や味すべてを受け継いでいます。
青色のクリームソーダはスイスイ泳ぐクジラが思い浮かびますね。
名前にクジラを入れた理由は、 ‘‘絶滅危惧種もいるクジラ’‘と‘‘後継者がおらず街から消えつつある喫茶店’‘が重なったから。元々クジラが好きな店主の山口さん夫妻は、喫茶店の魅力を発信することにより、クジラが水の中をのびのび泳げるようにという願いを込めて『喫茶水鯨』と名付けたそうです。
お店には喫茶店が好きな人やコーヒーが好きな人の他にクジラ好きな人も訪れ、クジラグッズを持ってきてくれるとのことであちこちにクジラが見られます。
喫茶水鯨
住所:〒550-0021 大阪府大阪市西区川口1丁目4−19
営業時間:水、木、金 9:00~17:00、土 日 8:00~17:00
定休日:月、火曜日
青空に照らされたクジラの骨格が見られる!大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館では、屋外にクジラの骨格標本が展示されています。
屋根がついているので雨の日でも安心して見ることが出来ます。
晴天の日だと、クジラが日差しに照らされ青空の上を泳いでいるようにも見えますね。
展示されているのは、左からマッコウクジラ、ナガスクジラ、ザトウクジラと全て大阪付近で座礁したクジラたちです。
真ん中に展示されている1番大きいナガスクジラは、「ナガスケ」と呼ばれ全長19メートルもあります。日本近海で採取され展示されているクジラ類では、最大の標本です。
マッコウクジラは「マッコ」と呼ばれ全長9.1メートルあります。3体のうち唯一歯があるクジラです。ザトウクジラは「ザットン」と呼ばれ全長7メートルあります。
「ザットン」と「ナガスケ」は口の中にひげを持つヒゲクジラ類に分類されるため、歯を持つハクジラ類の「マッコ」とは違い歯がありません。
他にもヒレの長さや口の形など種類によって骨格も全然違うので、3体を見比べてみても楽しいですね。他にも館内では大阪で見つかった4000年以上前のクジラの化石なども展示されているのでクジラを語るには欠かせないスポットとなっています。
▼大阪市立自然史博物館
住所:〒546-0034 大阪府大阪市東住吉区長居公園1−23
営業時間:9:30~17:00
定休日:月曜日