3体のクジラがお出迎えしてくれる「大阪市立自然史博物館」 大阪に眠るクジラとは!? | 耳ヨリくじら情報 | くじらタウン

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2024.06.26

3体のクジラがお出迎えしてくれる「大阪市立自然史博物館」 大阪に眠るクジラとは!?

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大阪市にある「長居公園」は総面積66.3ヘクタールの広大な敷地に広さを誇る大阪を代表する総合公園です。そんな自然あふれる公園の中にある博物館「大阪市立自然史博物館」を知っていますか?
大阪の街中でみつかったクジラの化石や大阪近郊の海にあがったクジラの骨格標本、また恐竜の化石などを展示する見応え抜群な博物館です。

博物館玄関前ポーチでは、3体のクジラの骨格標本がお出迎えしてくれます。
真ん中の一番大きい標本は“ナガスケ”の愛称で親しまれる全長19メートルのナガスクジラで、日本近海で採取されたナガスクジラでは最大の標本です。1990年に大阪府の堺泉北港に漂着し、博物館が7年かけて骨格標本にしたものとなります。2010年に堺泉北港でみつかった、全長9.1メートルのマッコウクジラの“マッコ”。2015年に大阪府岬町の長崎海岸沖でみつかった、全長7メートルのザトウクジラの“ザットン”の3体が並びます。すべて博物館と関係各所の協力のもと作られた骨格標本となり、博物館の顔として出迎えてくれます。

足元にはクジラのシルエットが描かれたイラストがあり、クジラの大きさを骨格標本とイラストで実感することができるので、遊びにきた子供たちは何歩あるか数えながらイラストの上を歩いていました。

大阪平野でみつかった巨大な骨

館内は「1.身近な自然」「2.地球と生命の歴史」「3.生命の進化」「4.自然のめぐみ」「5.生き物のくらし」の5つの常設展示エリアに分かれ、大阪の自然や生物の進化、地球の生命の歴史を目で見て体感できる施設となっています。

「2.地球と生命の歴史」では大阪平野のおいたちから時代をさかのぼり、日本列島や地球の生き物の歴史をたどることができ、大迫力の恐竜の骨格標本などを見ることができます。
展示の中には大阪で見つかった化石もいくつかあり、中にはかつて大阪はクジラが泳ぐ海であったという事が分かる化石があります。

その化石は1966年に大阪市東成区の地下鉄今里駅の工事中に巨大な骨が発掘されました。当時の研究ではミンククジラの骨とされていましたが、その後の研究で口や頭にある骨の形から、「カツオクジラ」であるという事が明らかになりました。日本国内では、生きていたカツオクジラの報告はありましたが、化石としては世界で初めての発見でした。

カツオクジラは暖かい海に棲む大型のクジラで珍しい種類です。この骨は縄文時代の4000~8800年前の地層からみつかり、かつて海だった大阪平野に沈み眠っていたものだとされます。そんな太古の化石が現代のしかも大阪の街中でみつかるなんて驚きですね!!

他にも大阪市の工事中にみつかったナガスクジラやザトウクジラの化石も展示されています。ちなみに日本でみつかったクジラの化石の半分以上が大阪でみつかっているんですよ!

クジラの中に入った気分が味わえる骨格標本の展示

「3.生命の進化」の展示コーナーではさまざまな生き物の体のつくりや暮らし、進化についての展示を見ることができます。

この部屋で 一際目を引く展示がナガスクジラの骨格標本です。間近で見ることができ、まるでクジラの中に入って骨の構造を見ている気分が味わえます。

近くにはハクジラ類の小さなスナメリの骨格標本もあるので、大きさや体の構造を見比べることができます。

博物館では身近にある自然から過去に生息していた地球の生物、現在もいる生物、人の暮らしと生き物の暮らしなど、過去から現在の暮らしに至る身近な地球の歴史を知ることができるとても面白い展示となっています。

同館のある長居公園は大阪のオアシスと言える自然広がる公園です。公園でのんびりしたり運動をしたり博物館で生物の歴史に驚いたりと、1日中楽しめる場所なので大阪に来た際はぜひ行ってみてくださいね!

■大阪市立自然史博物館
住所:〒546-0034 大阪市東住吉区長居公園1-23
開館時間:3月~10月9:30 ~ 17:00(最終入館16:30)     
     11月~2月 9:30 ~ 16:30(最終入館16:00)
休館日:月曜日(休日の場合はその翌平日)、年末年始(12月28日~1月4日)
公式サイト: 大阪市立自然史博物館(https://omnh.jp/)

■長居公園
住所:〒546-0034 ⼤阪市東住吉区⻑居公園1-1
開園時間:常時開園(各施設には別途利用時間があります)
休園日:なし
公式サイト:長居公園(https://nagaipark.com/)

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