耳ヨリくじら情報
長崎県平戸市生月町にある生月町博物館 島の館にて9月17日から19日の三日間、展示イベント「クジラってどんな生き物?~クジラや魚は大切な水産資源~」が開催されました。
(18日午後より、台風14号影響による休館にともない本イベントも中止しました)
平戸市生月町はかつて日本最大級の捕鯨組織の本拠地があったことから“クジラの町”として知られています。
そんな歴史ある地で開催されたイベントでは、クジラの生態や文化を紹介したパネルや、長崎を中心に製作されていたクジラひげを使った帆船や茶托などの工芸品など、見どころ満載の展示がされておりました。
その中で小学生向けに行われたクイズラリーやギャラリートークでは、子供たちが研究所スタッフのお話しに毎回反応しながら楽しんで参加している姿が見られました。鯨肉料理でどんなメニューが思い浮かぶか聞かれた際には、竜田揚げやお刺身といった声が上がるなか、「唐揚げもできるんだ!」とその調理法の多さに驚く様子も見られ、食事といった身近な話題にはたくさんの子供たちが興味深く話を聞いていた印象を受けました。
また会場から、数多くの種類が描かれたクジラの下敷きがプレゼントされた際には「よっしゃ!」と喜んだり、クジラの種類の多さに「すげー!」と声を上げており、会場は終始盛り上がりを見せました。
その後のクジラの生態や食物連鎖について学ぶ動画が流れる時間では、渡された下敷きと動画を交互に見比べながら真剣に鑑賞する子も。
またクジラの工芸品やヒゲなどの展示品を鑑賞する際、研究所スタッフの「海の中でクジラのヒゲは光ると聞いた、しかし本当かどうかはわからない・・・」という発言に対して「でも実験できるよね?」「実験したい!」と意欲的な姿勢が見られました。
続いて、クジラのヒゲや骨など貴重な部位を実際に手に取ってみることができるコーナーでは、子供たちの「硬い!大きい!」「そうなの!?これ骨なの!?」とストレートな反応が多いなか、(ヒゲを触って)自分の顔の大きさと比べて、その大きさの差に笑顔を見せたりユニークな様子も。いろいろ触っては「なあに?これ!」「そっちも触ってみたい!」と、子供たちに大人気のクジラでした!
最後は、クジラが海の中で聞こえているような音を実際に聞いて体験ができるコーナー。両耳を塞いで顎や額に機械を当てると骨の振動で音が耳に届くという興味深い仕組みです。
クジラも人間と同じように仲間が発した音を耳でキャッチすることでコミュニケーションを取っています。体験した子供たちは「お~聞こえる~!」「壁越しに人がいるように聞こえる!」と驚いた様子でした。
地元の歴史を見て体験して学ぶことができるのは素敵な機会ですよね。今回お孫さんをお連れのご夫婦も、子供たちと会話をしながら展示品を鑑賞したり、研究所スタッフの解説を聞きながら資料をみたりとみなさん楽しんで参加されたようでした。
生月町博物館 島の館では、江戸時代の捕鯨の様子を再現した巨大ジオラマや当時の漁業の展示室など、生月だからこそ学ぶことができるクジラの歴史が常時展示されております。捕鯨にスポットを当てたユニークな博物館、ぜひ一度足を運んでみてください!