【南極調査投入間近!】国内最大規模のドローンの展示会に鯨類調査用ドローン「飛鳥 改五」が登場 | 耳ヨリくじら情報 | くじらタウン

耳ヨリくじら情報

2022.07.08

【南極調査投入間近!】国内最大規模のドローンの展示会に鯨類調査用ドローン「飛鳥 改五」が登場

Share :

6月21日から23日にかけて、千葉県『幕張メッセ』にて、日本最大級のドローンの展示会『Japan Drone 2022』が開催されました。『Japan Drone』の開催は今年で7回目。第6回目となった昨年の『Japan Drone』で初お披露目となった鯨類調査用ドローン「飛鳥」が、今年はパワーアップした姿を見せてくれました。

飛行距離日本記録となるワンフライト104kmを達成

2019年の開発着手以降、改良に改良を重ねてきた『飛鳥』。2021年時点の最新実証機「飛鳥 改四」は、北太平洋上で51kmの自立飛行に成功していることで注目を集めていましたが、そこからさらに進化した実証機「飛鳥 改五」は、なんと洋上自立飛行104kmを達成しているのです。これは、小型UAV(小型無人航空機)による飛行レベルのうち、「無人地帯での目視外飛行(補助者の配置なし)」に該当する「飛行レベル3」において、ワンフライトでの飛行距離日本記録なんだとか

「改五」の完成によりいよいよ「飛鳥」が本格始動

なぜ、これだけ距離を伸ばし続けることにこだわったかというと、南極での調査において、調査船が入っていけない海氷間でも運用できることや、遠洋・極地上空でも運用できることが求められていたからです。しかし、「飛鳥 改四」までの実証機は、実際に南極での鯨類調査に活用されたことはありません。開発から3年目を迎えた今年の12月に、ようやく南極海での調査に使われていることが決まっているのだそうです。なぜかというと、「飛鳥 改五」が完成したことで、大きさや形はFIXとなり、いよいよ実用化に向けて動き始めたから。

洋上でのドローン活用に興味を抱いている企業からの問い合わせも増加

2021年時点で、風速10~15m/sの強風に耐える耐航性によって、航行中の調査船デッキから安定した離発着を実現できていたこと、洋上自立飛行51kmを達成していたことから、洋上でのドローン活用に興味を抱いている企業などに注目されていましたが、2022年に入ってからは問い合わせ数も増えているのだとか。もちろん、「飛鳥」の開発目的は鯨類調査ですが、けた違いの性能であることから、違法操業船の監視に使いたいとの声や、空撮で地図を作成する際の活用に興味を示す企業からの声があるといいます。

2022年12月に「飛鳥 改五」が南極の空を飛行予定

12月の調査には、トラブル発生の可能性も考慮して、8台の「飛鳥 改五」を船に積んでいくそうですが、調査時の「飛鳥 改五」の活躍次第では、問い合わせ数がさらに増しそうです 。

展示会場では、「飛鳥」の名前にちなんで、アスカ・ラングレー役を務めた声優としておなじみの宮村優子さんがナレーションを務めた紹介映像を上映。訪れたお客さんは興味津々で聴き入っていましたが、今後、「飛鳥 改五」が活躍した暁には、街中などでも紹介映像を目にする機会が出てくるかもしれませんね。

『くじらタウン』では、今後も「飛鳥 改五」の最新情報をフォローしていきますので、ぜひみなさんも一緒に活躍を見守り続けてくださいね!

Share :