耳ヨリくじら情報
交通手段はマイカーのみ。公共交通機関も通っていない南房総の山奥に、遠方からもファンが通う古民家レストランがあります。店名は『隠れ屋敷 典膳(てんぜん)』。戦国時代から江戸時代初頭にかけて名をはせた剣豪、御子神典膳吉明(みこがてんぜんよしあき)の出生地であることに由来するといいます。
店の周りは、見渡す限り、山、山、山! 幼いころから木刀を腰に差し、この地を駆けまわっていたと言われる典膳が見たであろう景色とほとんど変わらないのではないかと思われるほど、一面、豊かな緑に囲まれています。
しかも、古民家に一歩足を踏み入れるや、異世界に紛れ込んだかのような気分。時代を感じさせる黒電話や古家具でまとめられているかと思いきや、本物の虎のはく製や甲冑、天狗や神棚も混在しています。その一つひとつをじっくり堪能しながら個室に辿り着くと、窓からの景色もやはり緑いっぱい。窓を全開にしてマイナスイオンを身体で浴びながら食事を楽しめます。
メニューは、自家栽培の野菜や山菜、地元で獲れた魚介をバラエティ豊かに楽しめるコースがメイン。各個室に配された囲炉裏で、新鮮素材を炭火で焼き上げる時間もまた一興です。
コースの種類は、水郷鶏や里見伏姫牛などの地元の肉を堪能できるものから、海鮮がメインのものまで幅広く用意。南房総でおこなわれているツチクジラの漁期中は、捕れたてのツチクジラを、刺身や焼き物などさまざまな料理で楽しめる特別なコースにも対応しています。
また、漁期以外でも、「くじらの焼肉(写真上)」(1,200円/ハーフ=700円)、「塩くじら焼き」(1,200円)、「くじらのお造り」(1,300円/ハーフ=750円)の単品メニューは注文可能。ニンニクや生姜、玉ねぎなどのヘルシー素材をふんだんに使った秘伝のタレに漬けた焼肉にはツチクジラを使用、お造りはツチクジラとミンクを半々で使っています。
「県外のお客さんはほとんど、クジラといえばミンクやイワシをイメージするようで、ツチクジラを食べるのは初めてだと喜んでくれます」。そう話すのは、当主を務める山本剣さん。『南房総ジビエ料理研究会』『和田浦くじら食文化研究会』の一員としても、クジラの食文化普及に努めていらっしゃいます。そのため、南房総一帯のクジラがおいしい飲食店やクジラアイテムを購入できるショップなどの情報も豊富にお持ち。クジラに関する質問にも丁寧に答えてくれるので、来店の際はぜひ山本さんとのコミュニケーションを含めて楽しむことをおすすめします♪
「焼肉はレアがおいしいですよ」と焼き方もアドバイスしてくれましたが、その通りの焼き加減で大正解! 秘伝のタレが染みたツチクジラは旨みたっぷりで、これだけでもお酒が進みそう。お造りは、2種類のクジラを食べ比べできるのもうれしいですよね。
さて、五感が喜ぶ絶景とおいしい食事をゆったりとした気分で堪能できる『隠れ屋敷 典膳』ですが、魅力はこれだけではありません。なんと店長を務めるたまおが、個室まであいさつしにきてくれることがあるんです! にゃんとも愛らしい店長が会いに来てくれたら食事の楽しさもひとしお。何度も通いたくなること間違いなしですよ!
炭火焼山海料理 隠れ屋敷 典膳 (完全予約制)
住所: 千葉県南房総市宮下1822
電話番号: 0470-46-4137
営業時間:昼11:30-15:00, 夜17:00-21:00(入店19:30迄)