耳ヨリくじら情報
9月24日に東京・飯田橋にオープンしたばかりの『飯田橋くじらBURGER』は、クジラ料理未経験の人にも気軽に訪れてほしいハンバーガー屋。注文は、隠れ家イタリアンバル『グラン(GRAIN)』の一画に設けられたカウンターから。テイクアウトまたはテラス席でのイートインが可能です。
山手線の内側、東京のど真ん中にクジラ料理専門店とは驚きですが、実は飯田橋はクジラととっても縁が深い街。飯田橋駅前の鉄道道路沿いの壁「いいだべえ」に、色とりどりのクジラが描かれているんです。イラストが描か出たのは1990(平成2)年のこと。駅前のイメージを変えようと壁の名前も公募して、武蔵野美術大学の学生たちが、採用された名前に合わせたイラストで壁を埋め尽くしてくれたのです。
ここに目を付けて、「飯田橋からクジラの魅力を発信したい!」と考えたのが、『グラン』代表の武右京さん。実は、日本最大級の学術専門書籍出版社『雄山閣』の一員として数々の書籍も手掛けている武さんは、あるとき、小松正之さんの著書『日本人とくじらー歴史と文化―』を担当することとなり、同著のタイトル通り、日本人とクジラの関係性に興味を抱くようになります。
そんな最中、緊急事態宣言によって飲食業がストップせざるを得なくなったことで、今後について考える時間が生まれ、「クジラについてもっとたくさんの人に考えてもらうために、自分にできることは何だろう?」と考え始めます。その結果、生まれたアイディアが、「クジラを食べたことのない人にも気軽に楽しんでもらえる料理を出す飲食店の立ち上げ」だったのです。
「刺身や竜田揚げ、ステーキもおいしいけど、クジラ肉の入り口としては、若い人でもなじみがあるメニューがいい」と考え、バーガー専門店としてのスタートを決意。クジラ肉卸業者数社とやりとりするなか、価格、量ともに安定している取引先を見つけ、ニタリクジラの赤肉を使って試作を開始しました。
ミンチにした赤肉は、単体でハンバーグにしてもとてもおいしいですが、クジラ独特のクセが苦手だと感じる人もいるかもしれないと考え、メインとするハンバーグは、豚肉との合い挽き肉でレシピ化。クジラをしっかりと感じたい人のためには、クジラ100%のメンチを使ったメニューも用意しています。
お店のイチオシは、合い挽き肉を使った「いいだべえバーガー」(写真上)。千代田区とも連携しながら、いいたべえの認知度を高めていくことも目的に、この名前に決定したのだとか。
パティに合わせたのはミントヨーグルトソース。クジラのニオイをしっかり消してくれるうえ、爽やかな口当たりを楽しめるソースは病みつき必至。フレッシュなトマトとも相性抜群のソースで、あっというまにぺろりと平らげてしまいそう!
クジラ感を存分に堪能したいなら、クジラ100%のメンチが主役の「くじらメンチカツバーガー」がおすすめ。といっても、クジラ特有の臭みはほとんど感じられず、ダイレクトに伝わってくるのは濃厚なうまみ。しかも、紅ショウガの爽やかさも加わって、鼻から抜ける香りもすごく心地いいんです。
注文カウンターからは「いいだべえ」を臨むことができるので、できあがりを待っている間にはクジラトークも弾むかも!?
また、現在はデリバリー業者との連携もすすめているとのことなので、近隣にお住いの人はぜひデリバリーもご利用くださいね。
■くじらBURGER
住所:東京都千代田区富士見2-6-9 雄山閣ビル1階
営業時間:11時30分~なくなり次第終了
休業日:不定休
※営業時間等は最新の情報をHPなどで確認してください。