こだわり抜いた氷温熟成そばと鯨料理が味わえる『たま貴』(東京・中野坂上) | 耳ヨリくじら情報 | くじらタウン

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2025.04.16

こだわり抜いた氷温熟成そばと鯨料理が味わえる『たま貴』(東京・中野坂上)

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東京メトロ丸の内線・中野坂上駅徒歩5分、都営大江戸線・中野坂上駅徒歩約6分という新宿からも近く、利便性と住みやすさが特徴の中野坂上に立地する『たま貴』。2024年12月にオープンした鯨料理と氷温熟成そばを専門とするユニークなお店です。お店を開いたきっかけやメニューについて、そば屋や懐石料理屋で修業した後に1年ほど鯨料理専門店で修業した店主の富永貴也さんにお話を伺いました。

”自分が客として来たいお店”を作りたい”

―――なぜそばと鯨なんですか?
富永「まず、”自分がお客さんとして来たいお店”を思い浮かべました。そば屋で修業していたお店の特徴だった氷温熟成したそばと、そば屋でも少し取り扱っていて、もともと興味があった鯨料理をメインにしたお店にしようと考えました。鯨料理は虎ノ門の『鯨の胃袋』さんでモツの盛り合わせを食べて、本当に美味しくて、大越社長にお願いして1年間修業を積ませてもらいました」

”都内でも珍しい「氷温熟成そば」と鯨を同時に楽しめる”

(くじらユッケ丼そばセット 1500円税込)

―――ランチメニューの『くじらユッケ丼そばセット』について教えてください
富永「栃木県鹿沼産の100%在来種のおそばを使用してます。目玉の氷温熟成そばは、-20℃~0℃の間で90日間そばの実を熟成します。そうすることで”寒さに耐えよう”と食材が働き、甘みと風味がより引き立ったそばが出来上がるんです。氷温熟成そばは現地でも食べられなくて、都内でも食べられるところは珍しいです。それに鯨肉をユッケにすることで、鯨料理に抵抗がある方でも食べやすくしています」

―――ランチメニューで一番食べられているのは?
富永「このくじらユッケ丼そばセットが圧倒的に人気です。ユッケも鯨肉を食べやすく細切りにして温泉卵を添えています。そばはせいろとかけを選べるんですけど、できればせいろにして、1度塩で食べていただきたいですね。塩もそばとよく合う小笠原の塩を使っていてそばの香りがより引き立つので、そば本来のおいしさを実感していただきたいですね」
―――そばの香りが広がるのと麺がしまってもちもちとして美味しいです!ユッケ丼もくさみもなくどんどんご飯が進みます!
富永「あと生の鯨が苦手な方は『竜田揚げとそばセット』を頼まれる方が多いですね。皆さん鯨に興味があるけどまだ親しみがないものという抵抗があるのかなと思うので、価格帯も含めハードルを下げてもっと食べてもらってクジラ料理に親しみを持ってもらう事が目標ですね」

―――『くじら南蛮そば』についても教えてください

(くじら南蛮そば 1400円税込)

富永「鴨南蛮はそば屋にあると思うんですけど、くじら南蛮はないので面白いなと思ってメニューに加えました。部位は鯨の胃袋と本皮、脂すのこ、竜田揚げの4種も入っており、鯨の部位をほぼほぼ楽しめる贅沢なそばとなっています。それを楽しんでもらいたいですね」
―――胃袋はホロホロで柔らかく、本皮はコリコリした食感で旨味がジュワっとでてそばと合いますね!脂すのこと食べるとより一層うまみが増します!竜田揚げは柔らかくてジューシーで美味しいです
富永「出汁はそば出汁がメインでそこに本皮を入れて少し炊き込むことで鯨の旨味も出しています」

夜メニューはより鯨を味わえるラインナップ

―――夜メニューのメインである『赤身刺し3種盛り合わせ』について教えてください

(赤身刺し3種盛り合わせ+脂すのこ 2000円税込)

富永「赤身(背肉)とハツと尾の身を組み合わせていて、今は脂すのこを追加した4種盛りをおすすめしています」
―――分厚くてとても豪華ですね!
富永「赤身と尾の身は赤身刺しを出すうえで絶対だったんですけど、あと1種って思った時に、ハツの食感はハツしか出せないし、臭みもないのでこの3種を食べれば鯨のおいしさが分かるという想いで入れました」

―――赤身は肉厚で味わい深く、尾の身は柔らかくてすぐにとろけます!ハツはこりっこりで臭みもなくて脂すのこは脂がのっていて弾力があり、4種それぞれ全く違う味わいや食感で食べるごとに驚きがあります!これはお酒がすすみますね

(さつま無双さん、蕎麦和尚)
(IMADEYAさん、アップル・ランス)

富永「お酒は幅広く取り扱っています。おすすめはそば屋なので”蕎麦和尚”などのそば焼酎は飲んでほしい。でもやっぱり鯨料理に合うのは”酔鯨”ですね。甘いのが好きな方はIMADEYAさんの”アップル・ランス”っていう焼酎はりんごの甘みも感じられておすすめです」

―――鯨の天ぷらもあるんですね!
富永「そうなんです。そば屋なので付け合わせには天ぷらということで鯨の天ぷらもメニューに加えました」

―――初めてみました!こだわりとかありますか?
「温度と時間を研究して、サクふわな食感を出すために火を通しすぎないようにしています。天ぷらの盛り合わせにも入っているので一緒に味わってもらいたいですね」
―――柔らかい!衣がサクっとしていて中はジューシーですね!これはおいしい!

―――お客さんの中で鯨料理を初めて食べられる方も多い?
富永「多いです。また過去に食べたことがあって”硬い、くさい、まずい”といったイメージがある人も多いと思います。僕はそういった方にこのお店で食べてほしいって思うんですよね。その概念を覆せる自信があるので」

他にもこだわりぬいたメニューがたくさん!

モツ刺し
ねぎタン塩

―――ほかにおすすめなメニューはありますか?
富永「鯨だとやっぱりモツ刺しですかね。臭くないしうまいし味わい深いし食べてもらいたいですね。あとはだし巻きですね、そばだし使ってるんでそば屋ならではのだし巻きを味わってもらいたいですね。鯨の胃袋さんで食べて衝撃を受けた『ねぎタン塩』もおすすめしてます」
―――どれも美味しそうです!
富永「まとめると、鯨の『赤身刺し盛り合わせ』と『モツ刺し3種盛り合わせ』、『ねぎタン塩』、『だし巻き玉子』、『季節の天ぷら』、『氷温熟成そば』を頼んでもらえたらうちの良さが分かると思います。あと隠れメニューで『焼芋の天ぷら』があるんですけど、ぱさぱさの天ぷらが嫌いなのでオーブンで1時間かけてねっとりしっとりした味わいを引き出してから天ぷらにしていて、これは女性人気が高いです」

―――最後に今後の展望について教えてください
富永「永遠のテーマだと思うんですけど、商業捕鯨が再開して鯨を食べるという日本の文化はこれからだと思うんです。なので20~30代など若い世代に鯨をもっともっと身近に感じてもらう。そして鯨は高いというイメージもなくして、庶民の味であり日本の文化なんだということをSNSや店舗での普及で広めていきたいです。いずれ店舗も展開できたらと思ってます。魚の資源は減っているのに鯨の全体的な頭数は増え続けているので、いずれ鯨の時代が来ると思っています」

たま貴

住所:東京都中野区本町3‐29‐10 ヴェルティ中野102

営業時間:月~日、祝日、祝前日: 11:30~15:00 17:30~23:00

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