「ダイエット中でもおいしく食べられて、身体の疲労回復にも役立つクジラは最強フードだと思う」元総合格闘家・浅倉カンナさんinterview | 聞く | くじらタウン

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2025.01.01

「ダイエット中でもおいしく食べられて、身体の疲労回復にも役立つクジラは最強フードだと思う」元総合格闘家・浅倉カンナさんinterview

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『くじらタウン』アスリートインタビューに、2025年の記念すべき1人目としてご登場いただくのは、昨年9月29日に開催された「RIZIN.48」出場を最後に現役引退した浅倉カンナさんです。新たなステージへの希望に満ちた彼女の晴々しい笑顔は、幸多き一年の幕開けを象徴するかのよう。「これからは、現役時代にできなかったこと、興味を持ったことにどんどんチャレンジしていきたい」と話す彼女に、クジラ料理を召し上がっていただきながらお話を伺います。

現役中は、パフォーマンスを上げるために食事内容や食事時間を調整するのが常だった

――今日は内幸町にあるクジラ料理専門のレストラン『LA BALENA NEL PARCO(ラ・バレーナ・ネル・パルコ)』で人気のクジラ料理のランチを召し上がっていただきます。

クジラというとどんなイメージですか?

浅倉「“珍しい料理”です。食べられるお店も少ないのかなという印象を持っています。味としては、魚っぽいのかなあ?」

――食べることはお好きですか?

浅倉「そうですね。ただ、現役時代は減量が必要なときがあったんで、そういうときは、鶏肉やブロッコリーばかり食べていました。そうでないときは、練習時間の3時間前に食事することで、練習中にエネルギーを最大限発揮できるように調整したり。引退してからは、運動量が少ないぶん太りやすいので、食べ過ぎには気をつけています」

――かなり気をつけているんですね。

浅倉「10代半ばくらいまでの若いうちは、無限に動けるし、疲れてもすぐに回復していたんですけど、20代半ばになると食べるものによって体調が変わることを実感するようになって、油物を控えたりするようになりました」

クジラが疲労回復にいいことを現役時代に知っておきたかった

――実はクジラのお肉には、疲労回復をサポートしてくれる成分が豊富に含まれているんですよ。栄養面について、『日本鯨類研究所』の早武さんに教えていただきましょう。

早武「クジラは昔から”捨てるところがない”と言われていて、骨や皮は工芸品などの原料として使われますし、お肉や内臓などの部位はすべてたべられているのですが、アスリートにまずおすすめなのが赤身です。クジラは家畜とは異なり、人間がサシを入れるために介入することがないので、身の赤い部分と白い部分がはっきりわかれていて、赤身部分のタンパク質含有率がすごく高いんです。しかも、鉄分も豊富です。クジラは哺乳類だから、息をするために数十分置きに水面に上がらないといけないんですけど、吸った酸素と鉄が結合すると、筋肉に含まれているタンパク質“ミオグロビン”が鮮明な赤色になるから、クジラの赤身はとても鮮やかなんです」

浅倉「“酸素吸わなきゃいけない系”なんですか!」

早武「そうなんです。ちなみに他の哺乳類と同じく、赤ちゃんは母乳で育てるんですよ。それと、クジラの栄養について他にもひとつお伝えしたいことがあって、まず、赤身に含まれている“バレニン”という、イミダゾールジペプチドの一種である成分は、疲労回復効果を有していることが認められています。さらに、クジラは寒い海でも身体が冷えないよう体内に皮下脂肪を貯めているのですが、この皮下脂肪はエサ由来で、オメガ脂肪酸が豊富な小魚やプランクトンからつくられているので、クジラの皮下脂肪から抽出された鯨油には美容や健康にいい成分が高濃度で含まれているんです」

浅倉「クジラが疲労回復にいいだなんて知りませんでした。現役中に知っておきたかったです。そもそも、クジラという生き物についてあまり考えたことがなかったし、どんなふうに捕られているのかも知らないです」 早武「クジラは世界に約90種類、そのうちの半分が日本近海にも生息しているといわれているんですけど、そのなかで日本が主に捕鯨の対象としているのは4種類で、捕り続けても頭数が減らないよう、年間に捕鯨していい頭数が決められています。捕鯨方式には、小型船が日帰りで漁に出る“沿岸捕鯨方式”と、大きな捕鯨母船と小さな捕鯨船が船団を組んで捕鯨する“母船式捕鯨”があって、“母船式捕鯨”をしている会社は日本で一社しかないんですが、その会社が『LA BALENA NEL PARCO』を経営しているんですよ」

クジラって肉みたい! 満足感も得られるし、無理なく減量を目指せそう

――お店の紹介をしていただいたところで、早速お料理を召し上がっていただきましょう。本日召し上がっていただくのはサラダランチで、ケールを中心とするサラダに、ニタリクジラの赤身を焼いたものをスライスしてトッピングしています。

浅倉「お肉みたい! 食べにくさがまったくなくて、普通においしいです。野菜もたっぷりでヘルシーだし、こんなランチなら普段から食べたいです。ダイエットしたくて肉を控えてる人も、これなら味わいが肉っぽいから、無理なく理想の食事ができそうですよね。お腹も満足できそうです」

――つけあわせのミネストローネには、クジラから抽出したバレニンを粉状にしたバレニンパウダーが入っているそうですよ。

浅倉「これもおいしいです。クジラとかまったく感じないです。普通においしいミネストローネ! これで疲れにくくなるなら最強フードです。ほんとに現役のときに知っておけたらよかったです」

引退を決めてからは、今後の人生が楽しみだという気持ちが芽生えた

――現役時代はかなりハードな生活を送っていらっしゃったと思いますが、辛くて辞めたいと思ったことなどないのでしょうか?

浅倉「辛いことはたくさんありましたけど、辞めたいと思ったのは引退するときだけですね。格闘技と100%で向き合えなくなってきたなと感じたことで、自分で引退することを決めました。悔いなく辞めることができたと思っています」

――ちなみに格闘家人生で一番印象に残っている試合は?

浅倉「たくさんありますけど、やっぱり引退試合ですね。今までやってきたことが今日で終わるんだなという寂しさと、楽しみな気持ちがありました。それまでずっと格闘技しかやってこなかったから、これからどんなことができるんだろう? と考えると楽しみに思えました」

――カンナさんの活躍を見て、格闘家になる夢を持った子どもも多いと思いますが、未来の格闘家にアドバイスできることはありますか?

浅倉「格闘家を目指すならジムに入るのが一番ですけど、目指す目指さない関係なく、日ごろから運動はしていたほうがいいと思います。身体もメンタルも、汗をかいていたほうが整う気がします。私自身、毎日汗をかいてきたんで、汗をかかないとむずむずするし、運動しないと気持ちもスッキリしないです」

――反対に、格闘技をあまり見たことない人のために、どんなところに注目して試合を見るとより楽しめるのかを教えてください。

浅倉「格闘技には“絶対”っていうのがないんで、圧倒的に有利と言われている人が負けることもあるし、“その日にどっちが強いか”で勝敗が出るのはおもしろいところのひとつだと思います。女子格闘技の場合は、女性選手ならではの身体のやわらかさにも注目してほしいです。たとえば組み技にしても、男性だとすぐにキマるけど、女性だと身体がしなやかだから逃げられることもあったりします」

――技をかけられたときってやっぱり痛いんですよね?

浅倉「試合中はアドレナリンが出ているからか、殴られても技をキメられても、痛いっていうより“やられた!やりかえそう!”ってなります。殴られても何されても痛いと思ったことがないんですけど、試合が終わった後に身体が冷めてくると痛いところが出てきます」

――ちなみに、弟さんや妹さんがプロになりたいと言ったらどうします?

浅倉「半々ですね。応援したい気持ち半分と、簡単じゃないししんどいんで、それをやらせるのか……っていう気持ちもあります。もちろんそのぶん嬉しいこともあるし、幸せも大きいけど……迷いますね」

バレニン含有の「力おこし(力興し)」もお気に入り

――カンナさんご自身、しんどいこともたくさん乗り越えてきたからこそ、幸せを実感する力も強いのでしょうね。そんなカンナさんに、雷おこし・栗おこしにかけたというお店の試作品「力おこし(力興し)」を食べていただきたいです。もちろん、バレニンパウダーがたっぷりなので持久力UPにもうってつけです。

浅倉「ありがとうございます。これもクジラが入ってるとは全然思えないです。普通においしいエナジーバーです。これで持久力UPを目指せるなんてすごい!」

――最後に、お正月に公開される記事ということで、2025年の抱負を聞かせてください。

浅倉「これから何をやっていくかはまだ決めていないのですが、今までと違うことをやりたいですね。あと、現役時代に時間がとれなくてできなかったこともいっぱいやりたいです。趣味のサーフィンもそのひとつです。やっぱり身体を動かすのは好きなんで、今年もしっかり汗をかいて心身の健康を保ちながら、いろんなことにチャレンジしていけたらと思っています」

サラダランチ
試作品の力おこし

今回取材に協力していただいたクジラ肉を使った専門レストラン「LA BALENA NEL PARCO(ラ・バレーナ・ネル・パルコ)」は捕鯨会社の共同船舶株式会社が今年の5月にオープンしたお店です。

浅倉さんに食べていただいたのはランチメニューの“サラダランチ”(1800円税込)。山盛りのケールや野菜に赤肉のローストがたっぷりのったサラダとバレニンパウダー入りのミネストローネスープにパンとドリンクがセットになったメニューとなっています。

ナッツにバレニンパウダーを混ぜたエナジーバー「力おこし(力興し)」は浅倉さんの為に今回特別に作って頂いたメニューとなります。

▶浅倉カンナさん
浅倉カンナ(あさくら かんな)
元総合格闘家
1997年10月12日生まれ 千葉県出身
幼い頃からレスリングをはじめ優勝をするなど国際大会も経験
その後17歳で総合格闘技のプロデビュー戦を行い女子高生ファイターとして注目を集める。19歳でRIZINに出場後、様々な大会で活躍。2024年9月に引退

▶LA BALENA NEL PARCO(ラ・バレーナ・ネル・パルコ)
住所:東京都千代田区内幸町2-1-6 日比谷パークフロント1-A
電話:03-6550-9030
定休日:土 日 祝日
営業時間:ランチ  11:30-15:00
     ディナー 17:00-22:00

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