江戸時代の長崎県下は古式捕鯨の中心地であり、捕鯨業は江戸時代最大の産業として栄えていました。今でもクジラ料理をいろいろな場所で見かけることができます。長崎県では県民一人当たりの鯨肉消費量は日本一と言われています。

そんな長崎県長崎駅前の商店街にある創業63年（2023年8月現在）の天ぷら屋「天乃家（あまのや）」さん。

現在は店主と奥様と2人でお店の切り盛りをされています。

もともとは先々代が酒蔵をしていた9坪土地。そこに先代（店主の父）が天ぷら定食の店として昭和34年に「天乃家」を開店。

親戚が北九州で天ぷら屋をやっていたことがきっかけとなり、先代が長崎で天ぷら屋を創業。「長崎ならではの食材を」と鯨肉の天ぷらを出し始めたそうです。

創業当時から続く味、元祖 名代「鯨天丼」

長崎ならではの天ぷらで創業当時からある「鯨天丼」（税込1,050）はクジラの赤肉2枚、海老2尾、季節の野菜4種がのったお得感満載の天丼セットとなります。ふわっとした食感の揚げたての天ぷらに、いりこと鰹と混合削り節でダシをとった、薄口のあっさりとした甘めのタレがたっぷりかかった天丼です。

鯨の天ぷらはクジラの風味が楽しめてタレとの相性も抜群です。エビや野菜の天ぷらも素材の旨味がしっかり楽しめる一品となっています。

天丼の他にも単品メニューや定食も楽しむことができます。夜も営業しているので帰りがけに天ぷらをおつまみに飲みに行くのもおすすめです。

創業当時「天ぷら定食」はなんと70円だったそうです。地域の食堂として愛され続けるお店です。お客さんの目の前で真剣に揚げることを大切にしていた先代の後を継ぎ、現在の店主もお客さんの前で天ぷらを揚げ続けています。

現在の店内も昭和を感じられる店構えで雰囲気を楽しむことができます。

長崎の町を歩くとクジラの竜田揚げやカツやお刺身を出すお店はよく見かけますが、天ぷらのお店はなかなか出会うことはできません。

老舗天ぷら屋さんで鯨の天ぷらを味わってみてはいかがでしょうか。

■天乃屋
住所：長崎県長崎市大黒町7-3
電話番号：095-822-0081
営業時間：11:30～14:00／17:30～21:00
定休日：日曜日
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。