大浦町の道路にひときわ目をひく巨大なクジラのモニュメントとクジラの形をした建物があります。
2002年に鹿児島県南さつま市大浦町にある小湊干拓海岸に14頭のマッコウクジラが座礁しました。
大浦町の方々は約2週間にわたり、座礁したクジラを救出しようと力を尽くし、なんとか1頭だけ生きたまま海に帰すことができたそうです。
この記憶を後世に残すために作られたのが、こちらの「くじらの眠る丘」です。

全長13メートルのマッコウクジラの骨格標本

建物の中に入ってみると、全長13メートルの巨大なマッコウクジラの骨格標本が展示されています。
座礁したクジラの1頭を骨格標本として保存したものです。

建物の中に入ってみると、全長13メートルの巨大なマッコウクジラの骨格標本が展示されています。
座礁したクジラの1頭を骨格標本として保存したものです。

ガラスケースにはいったクジラの標本は頭からしっぽまで全身の骨が残されていて、圧巻です！

こちらの施設にはクジラの生態や集団座礁についての説明のパネルが展示されていて、クジラが好きな人、そうでもない人どちらもクジラについて興味を持つこと間違いなしの施設です！！

マッコウクジラ集団座礁

当時、役所の職員でこの件を対処した村田さんにお話を伺いました

2002年1月の午前8時、散歩している住民の方から「大変なものが座礁している」と通報があり、現場に行ってみると、生きている状態でくじらが14頭も座礁している光景を目にしたそうです。
大きさは小さいもので12メートル、大きいものだと16メートルのマッコウクジラが海岸沿いに座礁していました。
付近では１～2頭は座礁することがあるそうですが、こんなに多く座礁したのは初めてでとても驚いたそうです。
どうやったら救出できるか国立博物館の先生にも来てもらい、相談をして海に帰せるように色々なところに声をかけて協力してもらいました。

大きなクレーン車を持っている会社に来てもらい、タグボートでワイヤーをかけて引き出す作業を行い、1頭だけは生きた状態で海に帰すことがでたそうです。残りの13頭は残念ながら助けられませんでした。

助けられなかった13頭もそのままにはできない為、24時間ずっと見張りをしながら、どうやって自治体で処分するか、埋設するかを、当時の町長や水産庁などと交渉しました。最終的に海から来たものは海に帰そうということになり、甑島(こしきしま)近くの海に海中投棄されました。クジラは比重が軽い為、1頭沈める為にコンクリートの塊の重りを13個程度ぶらさげる必要があり、2週間ほどかけて12頭を海中に帰しました。
1頭はこの記憶を後世に残すために骨格標本として保存されました。

その後、市長と話をして、この事を忘れないために2002年にこの土地に記念碑を作ろうという事になったそうです。

クジラのモニュメントの周りには13本の石柱があり、助けられなかった13頭のクジラをイメージしたデザインになっているとの事です。

くじらアイテムが手に入る！？　ふるさとくじら館

くじらの眠る丘に隣接して〈大浦ふるさとくじら館〉という道の駅があります。
地元の特産品が販売される道の駅です。
大浦ふるさとくじら館では、ポンカン、タンカンなど旬の朝どれ野菜や特産品の販売の他、クジラの商品が販売されています。

少しだけクジラの商品をご紹介！

写真（上）左からセシカラ、さらしくじら、鯨大和煮。
セシカラとはクジラの皮を揚げて油を絞って乾燥させたものです。一般的にはコロと呼ばれていて、鹿児島ではセシカラと呼ばれているそうです。
水でもどしてから色々な野菜と煮物にするとおいしいとの事です！
さらしくじらは塩漬のオバ（尾羽）を薄く切り、熱湯をかけて脂肪分を除いて冷水でさらしたものです。ぷりぷりとした触感で低カロリー、酢味噌や梅肉をかけて食べるのが一般的です。
クジラの大和煮はご飯のおかずやお酒のお供にピッタリです。

その他にもかわいいキーホルダーやクジラのマグネットなども販売されています♪

間近でクジラの骨格標本が見ることができ、クジラのアイテムも手に入る『くじらの眠る丘』に、鹿児島に訪れた際は立寄ってみてはいかがでしょうか。

■くじらの眠る丘

住所：鹿児島県南さつま市大浦町29451
電話番号：0993-62-2111（大浦支所管理）
営業時間：１F いつでも自由に観覧可能
　　　　　２F 9:00～17:00
定休日：なし

■大浦特産品直売所 ふるさとくじら館
住所：鹿児島県南さつま市大浦町29423
電話番号：0993-62-2120
営業時間：8:30～17:30
定休日：12月31日～1月2日、2月末日