耳ヨリくじら情報
千葉県南房総市の道の駅『和田浦 WA・O!』に隣接する『和田地域センター』1階・2階の一角にある『勇魚文庫』には、日本屈指のクジラコレクター・細田徹さんが集めたクジラアイテムがごまんと存在します。そのうち、1階フロアに展示されているアイテムは、『和田地域センター』の開庁時間であればいつでも自由に見学できます。しかも見学は無料。クジラをモチーフにした昔懐かしいおもちゃのオマケから、クジラの皮や骨などで作ったラグジュアリーなファッションアイテムまで幅広く展示されているので、和田浦を訪れる機会には立ち寄ってみて損はなし! 今回は、バラエティ豊かなアイテムのなかから、ちょっぴり珍しいものをピックアップしてご紹介します。
① クジラのオスの生殖器で作成したファッションアイテム
重厚感溢れるショルダーバッグや革小物は、なんとクジラの生殖器で作られています。クジラの生殖器なんて見たことない! と思う人は多いかもしれませんが、それもそのはず。クジラの生殖器は、平常時、お腹のみぞおち部分におさまっているため、外見からオス・メスの区別を判断することは難しいのです。「棄てるところがない」と言われるクジラは、身体のあらゆる部位が食品や工芸品、ファッションアイテムなどに活用されていますが、生殖器まで使われているなんて驚きですよね。ちなみに、心臓の皮に関しても、生殖器と同じように利用されています。
②疑似餌
昭和20年代から30年代にかけて作られていた、マッコウクジラの下顎の骨を素材とした疑似餌です。イカ用、カツオ用など、魚の種類によって形が異なります。ニタリクジラの下顎の骨でも制作可能だそうですが、マッコウクジラのほうが骨が固くて作りやすいそうです。右下の3点はアメリカに輸出されていたもの。
③刀
クジラの骨で作られた刀の重量はかなりのもの。南氷洋捕鯨の帰路に作られたもので、捕鯨会社ごとに完成品の形が異なったそうですが、こちらは日本水産の船員によって作られたものです。重量があるため、剣道の素振りの練習などにも適しているそうです。
④杖
ステッキ部分にマッコウクジラの下顎の骨が使われた杖です。かつては、鮎川をはじめとするクジラの街で売られていました。持ち手部分にはクジラの歯が使われています。
ひとつめに紹介したアイテムの素材である「クジラの生殖器」は、『勇魚文庫』1階フロアにて実物が展示されています! スマホやデジカメで撮影もOKなので、写真を撮って帰ると話のタネにもなること間違いなしですよ。